※今回は備忘録として詳細を記したので、割と長編になっています
日本応用動物昆虫学会の大会(2018/3/25~27 於:鹿児島大学)の開催に合わせ、
湯川淳一先生による「城山生態学講座」が(学会とは別に)ありました。
前日には室内講義(夜は懇親会)もありましたが、
私は当日の現地調査会のみ長男と参加。
鹿児島市内の身近な自然、城山において、これだけの調査ができるなんて感動です
城山は保全されているため、植物や生き物の種類が豊富です。
今回は、南九州では普通に見られる植物に形成される虫こぶ(ゴール)を探しました。
それぞれの植物に棲み分けした寄生者がそれぞれの独特なゴールを作るのです。
まず最初はホルトノキ。落葉した赤い葉を探します。ゴールがあれば当たり
2018/3/28 鹿児島市城山
参加者が24名(湯川先生含む)だったので、1人10枚拾うだけで240枚は集まります。
短時間で皆で手分けして270枚ほど集まり、その中で7枚のゴールが確認されました。
調査方法にまずビックリ。そうやって数値を出していくんですね!
こちらはヤブツバキでの調査。
葉裏の葉脈にウロコタマバエの仲間がゴールを形成。
こちらはシロダモ。葉の付き具合で年数を調べ、ゴール数をカウントします。
シロダモタマバエのゴールは、南九州では葉の上に出ますが、
あるラインを堺に北部(福岡など)では葉の下に出るそうです。驚き
こちらはアオキ。茎が青いからアオキ。
冬の間は赤い実が目立ちますが、この時期まで実が付いているのはほぼ虫こぶ。
アオキミタマバエの仕業。
こちらはイスノキに作られたゴール。形成者はアブラムシの仲間。
こちらはよく見かけるけど、初めて名前を知ったハクサンボク。
赤い蕾のようなゴールができるのだとか…。
こちらはアラカシを囲んで
若葉の部分にゴールができています。
ここでは番外編。トタテグモ探し
ここら一帯の土手は、トタテグモの集合住宅地帯(笑)
薄い膜のような扉をめくると、奥にトタテグモが潜んでいます。
巣の前を昆虫が通ると、サッと穴から飛び出して引きずり込む戦法。
その土手周辺にあったのがマルバウツギのゴール。
葉の表面にボコボコ出ているので、分かりやすいです。形成者はタマバエの一種。
この他にも、バリバリノキや、ネズミモチ、ヤブニッケイ、ヤマモガシなど、
城山にある様々な木を観察しながら、湯川先生からそれに関するご解説をいただきました。
あっという間の2時間でしたが、植物を通して知る多くのことに刺激を受けました。
またここでご縁のあった方々にも感謝です。楽しい観察会となりました。
湯川先生、関係者の方々、参加者の皆様、お疲れ様でした。ありがとうございました。
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