クチキクシヒゲムシ と アマミクチキクシヒゲムシ
今回も鹿児島昆虫同好会誌「SATSUMA No.146」に投稿した記事から、
クチキクシヒゲムシと、アマミクチキクシヒゲムシです。
上の画像、左(クチキクシヒゲムシ・メス)は、2011/7/9 湧水町で採集。
右(アマミクチキクシヒゲムシ・メス)は、2011/7/24 奄美大和村で採集。
どちらもそう見ない、見つからない甲虫だと思います。
今年はたまたま、たまたま、これらのメスを採集できたので、比較して載せました
もう、どちらも早口言葉みたいで、舌を噛みそうな名前です
顔はこんな感じ。どちらもそっくりです。
ここからは、N峯先生が同定の際、参考にされた書物からの引用です。
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クシヒゲムシ科 Rhipiceridae
大あごはやや大きく前方に突出する。前胸背板は側隆線によって側板から明瞭に区別される。節第1~4節には2葉片状の付属物がある。世界の温熱帯に少数の種が知られる。日本には1属3種を産する。生活史は未知であるが、北アメリカ産の種類はセミの幼虫に寄生する。日本産の種類も成虫の生態から同様の生活をするものと推定される。
クチキクシヒゲムシ Sandalus segnis LEWIS
10-21mm。一面灰色の微毛でおおわれる。♂には上翅の黒色と褐色の2型がある。一般に四国、九州のものは上翅の隆条が強く、間室の点刻も粗大でややしわ状となり、触角の櫛状が弱いが、北日本のものは上翅の隆条が弱く、点刻は弱くしわ状とならず、触角の櫛状は弱い。6~7月。立木の幹に静止することが多い。北海道、本州、四国、九州。
アマミクチキクシヒゲムシ Sandalus kani M.et A SAKAI
10-20mm。全種によく似ているが、太短く、上翅の隆条は強く、間室の点刻も強く、メスでは明らかな横皺がある。前胸背板側縁後方の突出は側方を向き後方へは向かない。琉球(奄美大島)。石垣島にはよく似たヤエヤマクチキクシヒゲムシ S.takizawai NAKANE を産する。
原色日本甲虫図鑑(Ⅲ)(保育社、平成4年発行)原文より
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う~ん、まさにそんな状況で採集したし、特徴的にもドンピシャでした
N峯先生が注目されたのは、その生態に関する記述だったようです。
本当に「セミの幼虫に寄生する」のか そうだとしたら、どうやって
確かに、本土産のクチキクシヒゲムシは、ヒグラシの多い林で見つけました。
私も初めての採集で、何も分からずそのまま殺虫管にポイっと入れてしまったので、
観察することも今後は頭に入れておいて…って、また見つけられるかな?
めずらしい昆虫なだけに、いつかまたそんなシーンに出会えるなら、
探すロマンを追い求めたいですね
SATUSUMAの冊子ではモノクロ写真での掲載だったので、
ここでは原版カラーで楽しめるようにしています
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